先日、たまたまこれを観てしまった。
手仕事の合間にチラチラの程度だけど。
しょっぱなから胸糞が悪くなって、途中から ハチが憐れで泣きたくなった。 見終わって「見なければよかった」と思った。
教授とハチのふれあいはお約束通り。 教授がハチを可愛がっているのがよくわかった。 ハチも教授が大好きでたまらないのもわかった。
実際はハチの他にもワンコを飼ってたとか。
教授がハチをもらういきさつに特別さはない。 教授が元教え子に世間話程度で「犬が死んだばかり。今度は純粋な秋田犬を飼いたいなあ」と言ったことから。
秋田犬が生まれ、元教え子は教授に送ろうと東京に電話。 教授は留守で、電話をとった娘(石野真子)が、乗り気。 母親の八千草薫も「もう、犬は飼いません。悲しいから」と。 教授も。
でも、娘が「私が世話をするから」と。
それを聞いていた書生さん(尾美としのり)が「世話をするのは俺なんだけどなあ」とがっかり。
二日かかって駅に届いたハチ。 昔の動物の輸送なんていい加減だったろうな、とわかる。
駅に届いたハチを、書生さんと迎えにいくはずだった娘は、デートに行くことになり書生さんにおまかせ。 植木屋(長門裕之)と一緒に渋谷駅へ。
娘は妊娠していてあっさりと婚約者の外交官と結婚して出て行く。
この時点で石野真子が大嫌いになった。
書生さんは犬が嫌いで箒でしっし、とか。
なんやかんやで、教授とハチの楽しい日々。 でも、それは長く続かず、教授の突然の死でそれは終わる。 霊柩車を追うハチ。
奥さんの八千草薫は、書生さんとお手伝いさんを解雇し、家を売り、娘のところへ。 娘の家は一軒家で、庭もある。 だけどハチは連れて行かず。 娘のハチへの思いがどんな場所をさがしても微塵も感じられない。
ハチは預けられ先を転々。 最後は、預けられ先の主人が死んだことで奥さん(春川ますみ)は実家へ戻る。
「いいかい、立派な野良におなり」 と、放置。
ハチは、もとのお屋敷や駅、うろうろ。
駅前の「例の焼き鳥屋の屋台」のおじさんが山城新伍。
来る日も来る日もハチは改札口あたりをうろうろ。
石野真子夫婦は海外赴任。 八千草薫は、郷里の和歌山へ。
一度だけ、ハチを渋谷駅まで見に来た。
焼き鳥屋にいくばくかの金を渡して「これでハチに」と。
その後、10年近く、ハチは教授のお屋敷、渋谷駅、付近をうろうろ。 野犬にやられて怪我をしたり。 もうぼろぼろ。
そして、最後は渋谷駅の前で雪の中で虹の橋を渡る。 ハチの脳裏には教授との思い出が。
パトラッシュ風。
ハチにも雪が降り積もる。 でも、誰も気に留めない。
あんなに駅に通って駅長さんや、駅員さんがその姿を見て微笑んでいたのに。
動かないハチを俯瞰でカメラが引いていってエンディング。
あれじゃ、ハチは救いようがない。 地元の秋田で過ごしたほうがよかった。
ハチの本当の死因はフィラリアだとか。 当時はそんなに犬の防疫などなかった時代。 一説には焼き鳥の串のせいだ、とも。
焼き鳥屋の山城新伍は串を抜いてハチに食べさせてたけど。 リアルな世情としては、当時は人は犬には残酷だったようだ。 当時の新聞によると駅にいる人たちからいじめられたりもしていたとか。
リアルな史実と、美談は別にしても美談なら美談でもっと描きようがあったような。
うんと忠犬に仕立ててあげればよかった。 人間のリアルな残酷さと勝手さ、その中で唯一教授との絆を描きたかったのか不明。
あまりにも救いようのないハチに涙した。
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そうそう…
庭猫の「ちびた」。 わたしが退院したその晩、庭に来た子猫。
10日ぐらい前から、出て行ったきり。
男子猫はいずれ旅立つ。 男子は壁外調査に行かねばならない。 未知なる世界へ旅立たねばならない。
ノラオも、マガリも壁外調査に出たきり。 帰って来ない。
首輪までしてあげてたメスのクロコも長いこと帰宅しない。 キジコも帰って来ないこと久しい。 キジコはかわいいから誰かがもっていったのでは?と近所の話。
クロコも前兆があった。 2日、3日、帰宅しない日もたびたびあった。
どこか行くところがあるかのように走っていく姿を何度も見かけた。 そして、とうとう帰ってこない。
シマコはバス通りの向こうから20日かけて里親さんちを脱出して帰ってきた。
メアニーは相変わらずワイワイ言って庭にいる。 メアニー、マガリの兄弟のストレートは男子なのに壁外調査には行かない。 何度かチャレンジしたのか、ご飯の時間に遅れることしばしば。 怪我をして帰って来ること数度。 もう諦めた感じ。
猫模様。
そして、今日、ちびたは帰ってきた。
母親代わりだったメアニーの威嚇の声で気づいた。メアニー、忘れちゃったのかな? ちらっとちびたの姿。
ちびたなのか、ちびたによく似た鉢割れなのか。
猫というのは何年飼っても外に逃げると名を呼んでも来ない。 近づくと逃げる。 犬と違う。
庭の防犯カメラで捜索。
すると、塀の上にちびたが。
「ちびた!」 と呼ぶといつものカモメのような「ふえーふえー」という声を出して一目散に走ってきた。
ちびたのここが面白い。犬のような猫。
呼ぶと来る。
「壁外調査から帰ってまいりましたーー なんの成果も得られませんでしたーーー」 ※「進撃の巨人」を知ってる人はどのシーンか周知。
とばかりに。
近所に写真を見せ、ちびたの聞き込みをしたけど皆無だった。
どこに行ってたのか。
遠出をしてみたら帰る場所がわからなかったのだろうか。 雄猫の縄張りに入るとなかなかそこを抜け出れないらしい。 それとも、自分が子猫の時にさまよってきた道を匂いを頼りにルーツを探したのだろうか。 兄弟や親の匂いがあったのだろうか。
ちびたは痩せてもおらず思いっきりご飯を食べて寝ている。 汚れていたので濡れタオルで拭いた。
ちびたがいなくなった頃、庭にはキジ猫っぽい猫がご飯を下さい、と来るようになった。 決まった時間にご飯を食べてどこかへ去っていく。
猫模様。
ちびた
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